相続遺言判決実例集…(岐決・昭和59年3月22日家月36巻10号79頁)


  • (岐決・昭和59年3月22日家月36巻10号79頁)
 

(岐決・昭和59年3月22日家月36巻10号79頁)


 (岐決・昭和59年3月22日家月36巻10号79頁)

「民法892条の規定によれば、推定相続人の廃除請求は,同条に定める要件がある場合に,被相続人から遺留分を有する推定相続人を相手方として家庭裁判所に対してすべきものと定められているが,その趣旨は,右規定に定める要件がある場合に被相続人に実体法上の廃除権ないし廃除請求権を付与し,家庭裁判所を介してこれを行使せしめるものとしたのではなく,形式上右要件に該当する場合であっても,なお家庭裁判所をして被相続人側の宥恕,相続人側の改心等諸般の事情を総合的に考察して廃除することが相当であるかどうかを判断せしめようとしたものであって,このことは,同法894条が被相続人に,廃除後何時でも,推定相続人の廃除の取消を家庭裁判所に請求することができるとしていることからも明らかであるから,右推定相続人の廃除請求の手続は純然たる訴訟事件ではないと解するのが相当である(股高裁昭和54年(ク)第149号同55年7月10日第1小法廷決定・裁判集民事130号205頁参照)。したがって、推定相続人廃除の手続を訴訟事件とせず非訟事件として取り扱うとしても,立法の当否の問題にとどまるのであって,違憲の問題が生ずるものとは認められず,それが家事審判法に定める手続で行われるものとされている以上,その裁判は,公開の法廷における対審及び判決によって行わなければならないものではない。このことは,当裁判所の判例の趣旨に照らし明らかである(昭和36年(ク)第419号同40年6月30日大法廷決定・民集19巻4号1089頁,昭和37年(ク)第243号同40年6月30日大法廷決定・民集19巻4号1114頁,昭和39年(ク)第114号同41年3月2日大法廷決定・民集20巻3号360頁,昭和37年(ク)第64号同41年12月27日大法廷決定・民集20巻10号2279頁参照)。してみれば,裁判所が,本件について所論のように公開の法廷における対審を経ないで審理,裁判したとしても,憲法31条,82条に違反するものではない。」

 


 

 


 

 
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